vol.1の記事はこちら→Creative情報発信~クリエイターの情報発信風土形成への取り組み vol.1:実施背景&理想と現実~
vol.2の記事はこちら→Creative情報発信~クリエイターの情報発信風土形成への取り組み vol.2:仕組みづくりに向けて~
vol.3の記事はこちら→Creative情報発信~クリエイターの情報発信風土形成への取り組み vol.3:出来上がった仕組みと狙い~
■KPIに対して
ゴールは「技術職と同程度の投稿数」としつつ、初年度は段階的に先ずその6割程度を目指す形でKPIを設定しましたが、ありがたいことに1年を振り返ると投稿数に関しては100%を超える結果となりました。
■投稿された情報発信の一例
・長期案件での課題や解決事例、業務効率化事例
・イラスト制作ノウハウ
・前職でのおもしろ話
・トレンドアニメ/映画作品の分析
・アニメーション周りのゲームエンジン機能比較
・自身の職種の定番ツールの活用事例、初心者向けHowto
・社外セミナーレポート
・他社タイトルの分析/考察レポート
・エフェクト作成Tips
・AIサービス活用事例
・研修資料共有
・関数、GASを用いた業務効率化
・指示書作成Tips
・プラグイン紹介
etc......
まだまだ沢山ありますが、日々様々な内容が発信され続けています。
カジュアルなものにおいても「今更聞けない」痒いところにリーチしたものだったり、最近耳にすることが増えたけど実際よくわかっていないものが知れる内容だったり。
案件で長年蓄積されたノウハウとして業務で即実践できる内容もあったりとバラエティに富んでいます。
■運用開始後の実態調査に寄せられた声
・自分の発信に対してコメントをもらえたのが嬉しかった
・発信をフォーム形式にしたことで、ハードルが下がり、ありがたい
・他業種の分野の投稿も興味深いものがあって面白い
・制作職同士での情報共有が目に見えて増えたと感じる
・最近入社したが、本施策があったことによって制作職とのコミュニケーションにおいて心理的な壁が緩和された
etc......
当初懸念していた、「内容制限を設けない事による情報過多(ノイズの発生)」はあまり顕在化せず、「共有された情報を起点としたコミュニケーション機会創出」のリターンの方が大きかったのが印象的でした。
また、肯定的な内容だけでなく、課題や改善案など多数の意見を頂くこともでき、いくつかの課題も見えてきました。
■IP関連情報を含む発信コストが高い
技術職へヒアリングを実施した際、技術職のアドバンテージとして業務で得た知見などの情報全般において、秘匿性が低いテーマが多い(そもそものオープンソースのマインドがある)という話を聞きました。
つまり、情報公開に伴うリスクが少ないため、社内外に対して情報が発信しやすいという点に繋がり、そのメリットは大きいと考えます。
半面、制作職(主に案件に所属する人々)にとっては、社内間であってもIPや著作権の見地から秘匿性が高くなりがちな傾向にあり、情報発信において一定の制約を受けやすい(=発信に至るまでの監修コストが高い)ため、ここをどうクリアするかが課題の1つです。
案件ごとの制作リーダーと相談して公開基準やフローを定め、投稿者が都度確認するコストを極力省けるようにしたものの、ベストなやり方とは言えないため、引き続き現在もよいやり方を模索中です。この点はどうしても一朝一夕で解決できない課題であると認識しつつ、少しずつ緩和できれば良いなと考えています。
■文章ベースの資料が多くなりがち
「情報」は必ずしも「文章」である必要はありません。
クリエイター同士が発信・受信する施策である以上、3Dモデル、ムービー、イラスト、サウンドといった成果物は文章だけでは得られない刺激がありますし、なによりクリエイターの発信するテーマとしても歓迎されるべきと考えています。しかし、「情報発信」というワードのイメージ先行であったり、上述のIP関連情報の制約も相まってまだまだ投稿が少ないのが現状です。ゆくゆくはドキュメント・成果物がバランスよく集積できるように、今後も周知・促進すべきポイントの一つです。
■「どのくらい投稿内容が見られているか」がまだまだ分かりづらい
現状、slackでの反応以外に実感できる反響が少ないため、投稿した資料へのアクセス数・プレビュー数といった本質的な反響部分をわかりやすい形で可視化することが課題のひとつです。
「Creative情報発信」は昨年スタートし、現在運用2年目です。
初動こそ投稿数に重点を置いていましたが、今後は利用する制作職メンバーのユーザビリティを含め、これらの課題も解決していくことで施策の質を向上すべく、継続していきたいと考えています。
今回作った「クリエイター各々が職種の領域を超えて積極的な情報発信が習慣として行えるような環境」を起点とし、「KLab制作職の風土として醸成」させるために、引き続き「Creative情報発信」を推進していきます。
宮内 俊成
KLab株式会社 クリエイティブ部 サウンドG マネージャー 兼 クリエイティブ広報窓口
-ありがとうございました!
本ブログにおいても今後、実際にCreative情報発信フォームで発信された投稿を記事化し、
「KLablog クリエイター発信Share」として発信していく予定です!お楽しみに!
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