【社員インタビュー】クリエイターに話を聞いてみた! サウンドディレクター編〜音でゲームの世界に彩りを与える仕事〜

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ゲームの世界へ深く導いてくれるゲームサウンド。
迫力あるバトルシーンの効果音、ファンタジーな世界へ誘うBGMなど、ゲームの世界に入り込む要素として、音楽は欠かせないものです。
ゲームで流れていた曲を聞くと、作品を思い出す!ということもよくありますよね。

KLabのサウンドチームでは、そのようなゲームサウンドを作曲、デザイン、ディレクションするメンバーが活躍中です!
では、サウンドディレクターとはどのような仕事なのでしょうか。

今回は『ラピスリライツ』サウンド制作秘話でも話を聞いたChiharuさんに、サウンドディレクターの仕事についてインタビューしました!


【関連記事】<制作裏話>『ラピスリライツ』のサウンドディレクターに「音」のこだわりを聞いてみた!

Chiharu:サウンドディレクター、グループリーダー
KLabの在籍年数は6年。入社以来、多数の作品にサウンドディレクターとして携わる。
学生時代はジャズサックスプレイヤーを目指し、アメリカのバークリー音楽大学への留学経験をもつ。

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ジャズのサックスプレイヤーを目指し留学、コンポーザーという仕事に出会う

――KLabへの入社のきっかけを教えてください。

私は前の職場もKLabと同じくゲームの制作会社です。その後、フリーランスで働いた時期もあって、その際はゲームだけでなく幅広いジャンルにおいて、音の仕事に携わりました。ファッションショーの選曲や作曲なども行ったことがあります。


――さまざまなことをしていたのですね。

音に携わっているのが一番面白かったので、色んな仕事を経験させてもらいました。経験を積んでいく中で、ゲーム作品で音を一から作り上げる仕事をしてみたいという思いが出てきて、縁あってKLabに入社しました。

KLabは、やりたいこと、思ったことを実現できる環境があると聞いていて、入社したのですが、本当に自由にやりたいことやらせてもらえていますね(笑)
私は、一からゲームサウンドを組み立ててみたいという思いがあって入社したので、今まさにそういったサウンド制作ができる環境にいることは、すごくありがたいです。

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――音に携わる仕事はいろいろあると思いますが、なぜサウンドディレクターになったのでしょうか。

実は学生時代は、ジャズのサックスプレイヤーを目指して海外の大学へ留学していたんです。そこで世界中から集まった音楽家から刺激を受ける一方で、この先の進路にも悩んでいました。才能ある人たちを身近にして、自分のサックスプレイヤーとしての限界を感じさせられた経験でもあります。

それでも「どうしても音楽に携わる仕事がしたい」と模索する中で、出会ったのが当時はまだ新しい分野だったDTM(Desktop Music:デスクトップミュージック)での作曲でした。
私は学生時代に作曲を覚えそこから効果音制作を学びキャリアをスタートし、今では作品の世界観をサウンド視点から考えるサウンドディレクターになりました。
また、サウンドチームという組織の中では、サウンドディレクターを取りまとめるマネジメントの仕事として、グループリーダー職も兼務しています。

サウンドクリエイターはゲームの世界に彩りを与える仕事

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――前回、『ラピスリライツ』のゲームサウンド制作についてお聞きしましたが、ゲームサウンドに関わるクリエイターはどういった方がいるのでしょうか。

ゲームサウンドの場合ですと、皆さんがよくご存じなのはコンポーザーだと思います。作曲家とも言われることが多いです。
ほかには、効果音を制作するサウンドデザイナーや、ゲーム内に音を組み込むインプリメンターという職種もあります。昨今の大規模な開発の流れによって、今では細かく役割分担することが多くなっていますね。

KLabサウンドチームでは、目標として「ひとりで様々なサウンドを制作・実装できる人材になること」を目指してはいますが、担当者に任せきりにするということではありません。良い作品を作るために必要であれば、他のメンバーがサブとしてサポートできるような体制を組んで制作するなど柔軟に対応しています。


――それぞれが、ひとりのサウンドディレクターとして活躍しながら、チームとしても動けるようにしているのですね。実際に制作はどのような流れで進むのでしょうか。

まずは作品の仕様書や企画書を読んで、サウンドディレクターがサウンドのイメージを固めていきます。そして、どういったものを作るかといったテーマを考えて、サウンドコンセプトを立てていきます。

例えば、作品の方向性やコンセプト、目指すゴールをスライドに起こして、みんなに見えるような形で内容を固めていきます。そうやって、プロジェクトのプロデューサーやディレクター、プランナーと一緒に、こういう方向性で作りましょう、というのを擦り合わせていくところから始まります。
その方向性に沿って、今度はストーリーや機能に合わせて必要な素材や曲、SE素材(効果音:サウンドエフェクト)を考えていくという流れになります。


――関係者とイメージや表現を擦り合わせながら進めていくのですね。例えば、ひとつの楽曲を制作する場合、どのくらいの制作期間になるのでしょうか。

内容によりけりという大前提はありますが、1週間で制作することもあります。
一方で、生楽器を収録する場合などは時間がかかります。ギターやベースを利用する場合は、ストリングスも収録しているので、その分の時間も要していくことになりますね。

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スタジオでピアノの生演奏を収録することもある


――制作するにあたって、意識している点はあるのでしょうか。

作品の世界に入り込めるように、ボタン(音)を押したら気持ちいいとか、聴いていて気持ちいいなって思えるようなサウンドを目指すというのは、サウンドディレクターみんなが考えていることだと思います。

うるさ過ぎると、ユーザーさんにはちょっとした不快感につながるので避けたいところですね。そういったバランス感覚や調整も意識しています。
ですから、サウンドデザイナーもすごく大事な職種になります。無音の世界に彩りを与えているのは多分、サウンドデザインの要素が大きくあると思うんです。効果音が目立ってしまうとゲームに没入できなくなるので挑戦したい気持ちとの兼ね合いはいつも難しいところです。

ボタンを押した音や魔法の効果音など、世の中に本当はない音が、当たり前に鳴っている世界をどうデザインするかがすごく重要で、その中でもカッコいいとか可愛いという概念みたいなものを体現しなければいけません。

そういった意味で、私自身、コンポーザーは今まで世になかった世界の雰囲気を作っていく大事な仕事であり、その中の要素や細部をしっかり作っていくのがサウンドディレクターだと考えています。共に世界観をしっかり作っていくには、どちらも必要不可欠な仕事だと思います。

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――たしかに、音で人の感情を動かすというのは大変そうですが重要な役割ですね。

はい。ボイスの音量や、最終的な音の出音のバランスなど、ゲーム全体を見ながら調整していきます。ミリ単位のような細かい部分まで調整を重ねて、音のバランスを整えていきます。『ラピスリライツ』でもギリギリまで調整していましたね。


――華やかなイメージでしたが、地道な作業の繰り返しを経て、素晴らしい音が生まれているのですね。

楽曲だけをみると華やかなイメージもあるかもしれませんが、サウンドディレクターは地道な作業がほとんどなんですよ。
ただ、私もそうですが、音を作ったり聴いたりする人が多いので、黙々と作っていても楽しいですし、聴いてもらって感想やコメント聞かせてもらえるだけでも励みになります。

音楽に携わっている人は料理を作ることが好きな人が多いと言われるのですが、料理を作っているような感覚と近いものがあるかもしれません。
作る料理をイメージしながら、いろんな調味料を加えていく、そんな風に考えて作っている感覚です。出来上がって試食してみて、ちょっと違うと感じたら、もう一度作り直す!みたいな。そんな風に考えて音を作っているんですよ。

好奇心旺盛!?KLabサウンドチームのクリエイターたち

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――やっぱり、音に携わるのがお好きなのですね。Chiharuさんご自身は自主制作なども行うことは多いのでしょうか。

私はサウンドデザイナー出身ということもあり、こそこそと自分で音を録ることが好きです。とってきた素材をゲームの中に入れたりして、一人でニヤニヤしています(笑)。


――プライベートでも音に接しているんですね(笑)。

日常にあるような自然な音を加工して、作品に入れることもあります。どんな音をつかっているかは私しか知らないので、「(自分が作った)あの音が入っているな...」と、ひそかに楽しむこともできます(笑)。
世の中にはさまざまな音がありますので、普段からレコーダーを持ち歩いていて、気になったら録音することもあります。


――まさしく遊び心ですね。最近はどういった音を録りましたか。

最近、地元に帰ったときに単線の電車があったので・・・。ドアをボタンで押して開閉するものだったのですが、その音が新鮮だったので録音しました。怪しかったかな(笑)。


――不思議な人だったかも(笑)。ただ、そういった何気ない日常へ向けられた好奇心は制作にも役に立ちそうですね。

そう思います。効果音って素材集も多くあるのですが、意外と当たり前にありそうな音がないんです。例えば、チョークで書いている音と聴いて、皆さん思い浮かぶ音があると思うんですけど、実際に本当に鳴るのかなと試してみると、意外と思っている音が鳴らないんです。実は、あの音はデフォルメされた音だったんだと気付くんですよね。

どこかで聴いたことがある音というのは、世にある音じゃなくて、誰かが作った音や刷り込まれた音だということも多いんです。そういう音をたどるのも面白いですね。

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――KLabサウンドチームのメンバーは、どのような方がいるのですか。

「すごく音を楽しむチーム」かな、向上心も高い人が多いと思います。
ちょっとしたツールや機材をすぐに試したり、自分の中での隠し味や遊び心を入れて楽しむ人も多いですね。


――『ラピスリライツ』でのお着替え画面の曲のような試みですね。

はい。「遊び心」とか「少しスパイスを足す」というようなことをすごく重視していたり「やってみたいと思ったことは、すぐやってみる」タイプのチームだと思います。

KLabサウンドチームのメンバーは、得意な楽器や演奏ジャンルなどそれぞれ異なるバックグラウンドを持っているので、いろんな意見を出し合いますね。
また、自身が担当しているプロジェクトで「こんなアプローチをしたよ」とか、感想などを共有し合ったりコミュニケーションも活発ですし、お互いに刺激を受けて切磋琢磨しています。


――ゲームサウンドの制作において、普段から学習やインプットはどういったことをされているのでしょうか。

今流行りの情報は、みんなで共有していますね。加えて、話題になっていることや興味のあることについて、それぞれが自分なりの分析をしていて、それを共有して話題にすることもあります。
例えば、韓国のK-POPが流行っていますが、どういう音作りをしていて、J-POPとは何が違うのか、ということを話し合ったりしています。

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サウンドディレクターにとって、プロデューサーやプロジェクトメンバーとのミーティングも欠かせない仕事

――そういう話は、いつされるのですか。

特に決まってはいませんが、ミーティングの後に話すことが多いですね。テレワーク前は、デスクの周りに集まって話したり、立ち話したり、ということもありました。今はSlackなどのコミュニケーションツールで、それぞれのタイミングで流行りの情報を投稿したり、会話したりというスタイルです。


――皆さん音楽が好きということもあって、新しいことへの貪欲さというか、流行にも敏感なのかもしれませんね。

そうですね。みんな、いろんなことに興味がありますし、いろんなバックグラウンドがあるんで、関心度合いにも違いがあって、面白かったりします。


――最後にサウンドクリエイターやKLabに興味のある方に向けて一言お願いします。

私のKLabでの経験を振り返ってみると、音楽が好きな方々が多く関わっているプロジェクトだったと思います。出来上がった楽曲をみんな楽しみに聴いてくれたり、感想やコメントをもらい大変励みになりました。
今後も、より世界観にあった楽曲やサウンドを制作していければと思いますので、引き続き楽しみにしていただきたいですね。

また、KLabはみんなで一生懸命応援してくれるような社風だなと思っています。私のイメージでは、すごく丁寧に人の話を聞いてくれる人が多いイメージです。
ですから、声を上げたら応援してくれるという社風もあって、社員の活動が活発なところも魅力です。KLabサウンドチームに興味のある方がいれば、ぜひ話を聞いてみたいですね。


――ありがとうございました!

サウンド制作は地道な作業が多いと語りながらも、音と触れ合うことへのこだわりが随所に感じられたChiharuさん。そのこだわりがゲームの世界観に彩りを加えているのですね。
ブログでは、Chiharuさんのほか、様々な場面で活躍する社員を紹介していきますので、楽しみにしてください!

KLabサウンドチームが気になった方はぜひTwitterもチェックしてみてくださいね。

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KLab Sound Team

Twitter:@klabsoundteam


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