VRのゲームを作ってみて気をつけたこと

KLab Advent Calendar 16日目の記事です

はじめまして、jukey17です
Advent Calendarを書くのは初めてです
よろしくお願いします!

この記事に書いてあること

この記事では、jukey17がVRゲームを初めて作ってみて、気をつけた内容を簡単にまとめています

これからVRのゲームを作ってみようと思っている方の参考に少しでもなってもらえれば幸いです

VRのゲームを作ろうと思ったキッカケ

VR元年と言われた2016年 、個人でも楽しむことができるVR製品が次々に発表・発売されていき「VR製品買いました」「VR楽しい!」「VR凄い」という声が開発仲間の周りから少しずつ聞こえてくるようになりました

私自身全く興味がなかったわけではなく最初は体験ブースなどを見つけたら軽く遊んでみる程度の興味はありました
が、今一歩踏み込めないままでいました

そうこうしているうちについにはゲーム開発とはゆかりのない仕事をしている友人からもVRの話題が聞こえるようになってきてやっと ちょっとこれは実際に作ってみたほうがいいのでは? と思うようになりました

気がついたら今年も残りわずか、 このまま踏み込まないまま1年が終わってしまうのも勿体無い! と思い、VRゴーグルを購入しゲーム開発をはじめました

作ったゲーム 『World Jab VR』

image

正面から飛んでくるジャブ(パンチ)を左右に避けるゲームです
少し昔、TVで話題になっていた某ボクシング3兄弟の父親が行っていた練習の1つをモチーフにしました

このゲームは Google VR SDK for Unity(※以下SDK)を使ってUnityで作りました

ジャイロセンサーを使用して横の傾きを検出し、プレイヤー自身を左右に動かしてジャブを避けます
何回連続で避けられるかを競うゲームとなっています

初めてのVRゲーム開発だったのですが、実際に開発を進めていく中で気をつけたことの中でやってよかったと思った内容がありました

以下にその内容を紹介します

気をつけて良かったこと

先にUnityEditor上で遊べるようにした

私はまず初めに VRのゲームを作ろう! と勢い良くSDKのサンプルシーンを起動し、実機に転送して遊んで見るところからスタートしました

しかし、プロジェクトをビルドして、端末にバイナリを転送し、起動した状態で端末をVRゴーグルに装着して…
というのを 開発中に何度も繰り返すのはとても大変 だとすぐに気づきました

そこでまずはSDKの導入は一旦せず、UnityEditor上のみで動作が確認できるように開発をはじめました

とはいっても、SDKは簡単にゲームのVR対応ができるように GvrViewerMain.prefab をシーン上に配置するだけでVR対応が済むような構造になっているので、この対応は非常に簡単です

初めはUnity上で開発を進めていき、 ある程度遊べるようになってきたら対象のプレハブをひょいとシーンに置けば良いのです

但し、今回作った World Jab VR はゲームの仕様上プレハブの設置とセットでジャイロセンサーの入力機構も実装しなければなりません

ある程度遊べるようになってからも膨大な微調整の時間がかかるのは容易に想像できます

そこで更にもうひと工夫することにしました

入力操作方法を切り替えられるようにした

今回は3つの入力操作方法を切り替えられるようにしました

  • キーボード操作

PC(UnityEditor)想定
※先程のgifアニメーションがPC操作

  • ジャイロセンサー

スマホ(VR)想定

vr_play

  • タッチ操作

スマホ(非VR)想定

touch_play

最後のタッチ操作はキーボードとジャイロセンサーの出し分けを作ったときに「幾らでも新しいパターンが追加できるな」と思い、サクッと作ってみてしまった副産物です

この3つの入力操作方法は実行前に設定を切り替えられるようにしました

これのおかげで下記のような対応がとてもしやすくなりました

  • VRで遊んでいる間に問題が発覚!
    1. UnityEditorで動作を確認と問題を修正の繰り返し
    2. 修正が完了したらVRで再度遊ぶ
  • 新しい機能を追加したい!
    1. UnityEditorで機能の実装と微調整の繰り返し
    2. 実装が終わったらVRで最終チェック

一度VR対応したせいで細かい動作確認が億劫になり、開発スピードが落ちていく…なんてことは防げるはず!
(モチベーション維持は大事です)

今後の展望

UI上からのパラメータ調整・設定切り替え

いわゆるデバッグ機能です
現在はUnityEditor上のインスペクタから設定できるようにしています

しかしこれだと実機で動作確認したときに微調整をするために一旦UnityEditorに戻らなければなりません
大きな問題の修正や新機能の追加などプログラムを書き換えなければならない内容では仕方ないことですが、パラメータの調整やオプションの切り替えだけで済む内容なのであればなるべくUnityEditorに戻りたくありません

VRゴーグルを装着しているときは 視点ポインターで選択 できるようにしないといけないため歯応えがありそうな内容です

追加したい機能のアイデアももう思い浮かんでおりドンドンと実装をしたいところ...
もあるのですが、こういった 何度も繰り返し時間の掛かる部分は積み重なっていくとかなりの時間を消費していて開発スピードを下げる原因になる ため、足回りの部分の整備も怠らずに進めていきたいところです

ジャブを繰り出す側もプレイヤーにしてしまう

現状はAIが繰り出すジャブをひたすら避けるゲームになっていますが、通信機能を使って2人で遊べるように したら見栄えも含めてもっと面白くなりそうです

避ける側はVRゴーグルを装着、ジャブをする側はスマホにフリック操作してジャブを繰り出す

フェイント機能 などがあると駆け引きが増えて盛り上がりそうです

(※操作方法は暫定)

最後に

初めてのVRのゲームを作ってみましたが、どんな内容のゲームをつくるかを考える際に『どんな場所で遊ぶのか』『遊んでいる人は外から見てどのように見えているのか』など、 ゲームの内容の外側のことも気にしたりしながら作ったので予想以上に難しく・そして楽しかったです

今回は開発を始めていく中での気をつけておくと良いことを紹介しましたが、今後はそういった空間を含めたゲームデザインや新デバイスならではの技術に触れるような内容にもチャレンジしたいと思いました

以上です

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